早稲田の浅野豊美先生が率いてきた研究プロジェクト「和解学の創成」の成果のひとつとして和解学叢書第6巻が明石書店から出版されました。
私も30年にわたるNHKスペシャルの番組の題材の動向についての論稿を執筆させていただきました。

NHKスペシャルは私も子どもの頃からよく見ていた番組であり、いろんな世界を教えてくれる〈扉〉の役割を果たしてくれました。

「和解」にかかわる回の一覧表も掲載されておりますので、「和解」の観点からNHKスペシャルについて考えるための基礎資料になればと願います。

編者の浅野先生、ほか執筆者のみなさま、ありがとうございました。
  
本書が手許に届くのとほぼ同時に同社の編集者であった関正則さんの訃報に接しました。

関さんとの最後の仕事は和解学叢書第4巻でした。
それとは別にサハリン残留朝鮮人問題についてもいろいろと質問を受け、私自身もいろいろと考えが深まったのを覚えています。

和解学叢書が世に出ることになったのも、こうした関さんたちの理解と協力があったからこそと思います。
研究者の研究が図書として出版・流通するにはこうした編集者のみなさんのお力があってこそと改めて思わせていただきました。

関さん、ありがとうございました。

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「NHKスペシャル三〇年における〈和解〉」浅野豊美編『想起する文化をめぐる記憶の軋轢:欧州・アジアのメディア比較と歴史的考察』明石書店、2023年08月15日、219-246頁。
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