先日、刊行された『北海道・東北史研究』に以下の拙稿が掲載されました。

「樺太のエスニック・マイノリティと農林資源」は、その研究の性質上、議論の対象として主に内地人移住者を前提としていた拙著『亜寒帯植民地樺太の移民社会形成』(2014年)を補うものです。これまで個別のグループとして論じられることの多かった樺太のエスニック・マイノリティを農林資源とのかかわりからひとつの論文の中で並べて論じることを試みました。

この論文を書いてみて改めて思ったのは、先住民族に限らず先住者(残留露国人、残留漢人、残留朝鮮人を含む)が初期の内地人移住者の定着に果たした役割の大きさです。今回は充分に議論し尽くせなかったのですが、今後は北海道の事例とも比較しながらもう少し詳しく調べてみたい問題です。

「樺太の〈戦後〉史研究の到達点と課題」は、2016年10月に開催されたサハリン樺太史研究会例会の記録です。2年近い時間が過ぎてしまいましたが、樺太〈戦後〉史研究の状況を把握するためには役立つ論稿となっているかと思います。共同報告者・執筆者のみなさま、ありがとうございました。

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中山大将「樺太のエスニック・マイノリティと農林資源:日本領サハリン島南部多数エスニック社会の農業社会史研究」『北海道・東北史研究』第11号、2018年6月30日、77-90頁。

中山大将、竹野学、木村由美、ブル ジョナサン、パイチャゼ スヴェトラナ「サハリン樺太史研究会第41回例会 樺太の〈戦後〉史研究の到達点と課題」『北海道・東北史研究』第11号、2018年6月30日、108-119頁。  
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*なお、上記論文執筆のために主に下記の研究費が用いられています。

中山大将(京都大学・助教)「近現代東アジア境界地域の人の移動と農業拓殖の比較史:サハリン島と台湾島を中心に」京都大学若手研究者ステップアップ研究費(2015年度)

中山大将(京都大学・助教)「境界地域史への地域情報学活用:サハリン島ミクロ歴史情報データベースの構築と応用」(挑戦的萌芽研究)(2016-18年度)

 

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