先日、ついに蘭信三編著『帝国以後の人の移動』(勉誠出版)が刊行されました。
この中には私の「サハリン残留日本人」も所収されています。

蘭信三先生の科研が始まったのが2008年、私が北大へ行くのと入れ替わりに科研が終了し、その後の1年半この本の執筆のために多くの時間を使ってきました。途中でどんどん新たな資料が集まり、書き直したところも多々あります。特に、第1稿を提出した段階ではほとんど情報のなかった冷戦帰国についてはこの間に一気に研究が進み、それらも反映されています。
今回の論文の目的は、サハリン残留日本人の社会史の全体像を描くことにありました。サハリン残留日本人については、そうした基礎的研究もまだない状況でしたので、私自身もこれを土台に各論を進めようと思いますし、新たに研究する方が現れて、批判検討を進めてくださることを願っております。

20世紀における「移動」とはなんだったのか、境界変動が人々の生にどんな影響を与えるのか、などなどのことを考える方々のヒントになればと思いますし、「サハリン残留日本人」とはどんな人々なのか知りたい方にもぜひ手にとっていただければと思います。

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この仕事を通して、サハリン残留・帰国日本人や、サハリン樺太史への理解が広がることを願っています。
今は6年越しの仕事がひと段落を迎えて、とりあえずほっとしています。

「サハリン残留日本人―樺太・サハリンからみる東アジアの国民帝国と国民国家そして家族」
蘭信三編著『帝国以後の人の移動―ポストコロニアルとグローバリズムの交錯点』勉誠出版、2013年11月20日、733-781頁。