先月は、このBlogへの月間アクセス数が過去最高になりました。S.f.e.a.rに参加させていただいたおかげで、研究関係以外の方もご覧になってくださったおかげかと思います。

さて、非公式ですが後続企画として札幌近郊の解散集落・新野幌を歩くということをしました。新野幌は現在の野幌森林公園内に存在していた集落です。戦後開拓集落として生まれ、1960年代に森林公園化により解散した歴史を持っています。

林内には集落のあった名残はほとんど残されていませんが、学校の校門代わりだった大木の切り株や、農地の間の境界代わりの並木など、元・住民の話から見つけられる集落の名残をたどりつつ、今となってはすっかり集落の跡が消えてしまった理由を参加者で考えました。

野幌森林公園については、粗っぽい言い方ですが、元々は「自然保護=天然状態の保存」という観点から「原始林」と謳われておりましたが、近年は「自然保護=持続的利用」という観点の転換から、森林公園の東側にある古い集落が営々と利用して来たことが環境社会学の分野などで強調されるようになりました。

一方、戦後開拓という巨大な「開発」の一環として生れた新野幌集落がかつて林内に存在していたことも、郷土史などで再度認識されるようになりました。

私がかつて研究プロジェクトで行ったのは、もう一歩踏み込んで、その新野幌集落には、これまで言及されてこなかった非・入殖者住民がいたことを指摘すると共に集落の解散過程にも着目し、人間にとっての「農」の意義を再考することでした。

自分の郷土に関する研究を、地元の方々に向かって、まさにその現場でお話しできたのは、この上ない光栄でした。また、参加者のみなさんのお話からも多くの発見がありました。参加者のみなさん、企画者のみなさん、ありがとうございました。

 
なお、上記の研究プロジェクトと、その成果は以下の通りです。

「戦後開拓の経験からの「農」の再考」トヨタ財団2009年度研究助成プログラム(2009年11月-2010年10月)

“Agriculture and Rural Community in a Social and Familial Crisis: The Case of Abandoned Rural Community and Invisible People in the Postwar Settlement in Shin-Nopporo, Japan,” Asian Rural Sociology IV, vol.II, Asian Rural Sociology Association, Sep 2010, pp531-544.

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