サハリン韓人に関する拙稿が、UBRJ(Unit for Border Research Japan)刊行の学術誌『境界研究』に掲載されました。

「サハリン朝鮮人」と言うと「強制連行」「徴用」という語が連想されますが、本論では戦時動員以前にすでに樺太に居住していた朝鮮人(=「樺太移住韓人」)に目を向け、戦前の樺太日本社会および戦後のサハリンのソ連社会での韓人の経験から、一貫してマイノリティの立場に置かれ続けた人々とマジョリティとの関係性について論じました。

「共生」という語は「共栄」を意味しているわけではなく、境界変動によって生まれた社会の中で、異なる集団に属する人々が個人レベルでどのような関係性を持っていたのかを検証しています。本論の執筆過程で戦時動員で樺太へ渡った朝鮮人(=「樺太動員韓人」)の方々へのインタビューも実現でき、移住韓人との比較まで盛り込めたことは幸運でした。

本論を書いて思ったのは、政治的な全称化的思考から脱するためにも実証的な歴史研究が必要とされるということであり、自分の研究がそのために貢献できるし、またそうすべきだということでした。

調査に協力してくださったみなさま、査読や編集作業でお世話になったみなさま、ありがとうございました。

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「サハリン韓人の下からの共生の模索
―樺太・サハリン・韓国を生きた樺太移住韓人第二世代を中心に」
 『境界研究』第5号、2015年3月4日、1-27頁。
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