Archive for 2016年5月

日本台湾学会にて初報告。

去る5月21日に日本台湾学会にて初めての下記の報告を行ってきました。

亜寒帯樺太と亜熱帯台湾で、それぞれの農業試験研究機関はどのような活動を展開したのかについての比較研究です。両者の相違性と共通性を生む背景を究明するとともに、内地との比較も視野に入れることで、境界地域としての普遍性と特殊性について論じました。

具体的には、樺太庁中央試験所、台湾総督府農事試験場、中央研究所農林部、農業研究所そして台北、台中、台南、高雄などの地方農事試験場について論じました。

単なる先行研究を用いた比較ではなく、自身でも一次史料に目を通し、大いに勉強になりました。樺太史から観て驚いた台湾の状況は、台湾史を専門とする方々にとってはむしろ当たり前のことと認識されているためか、その驚きはあまり伝わらず、共有もできなかったようで、少々残念ではありました。

あえて「境界地域史」を副題に入れたため、鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いんという印象を与えてしまいましたが 、台湾史を専門とする方々との交流によって、視界がより広くなったように感じます。勇気のいる一歩でしたが、報告してよかったと思っております。司会、評者、ご来場のみなさま、また学会入会への紹介者を引き受けてくださったみなさま、ありがとうございました。

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「亜熱帯植民地台湾と亜寒帯植民地樺太の農業試験研究機関:境界地域史の観点からの比較」
 日本台湾学会第18回学術大会第6分科会、宇都宮大学峰キャンパス、2016年5月21日。
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*本報告は、下記の研究費によるものです。
京都大学若手研究者ステップアップ研究費「近現代東アジア境界地域の人の移動と農業拓殖の比較史:サハリン島と台湾島を中心に」中山大将(京都大学・助教)、2015年度。
科学研究費補助金挑戦的萌芽研究「境界地域史への地域情報学活用:サハリン島ミクロ歴史情報データベースの構築と応用」中山大将(京都大学・助教)、2016~18年度。

講義「国境と国民の時代」終了

京都大学総合人間学部「文明構造論IIA」で担当させていただいたリレー講義「国境と国民の時代」全3回が終了いたしました。講義のために勉強し直した部分もあり、準備にはずいぶんと労力をかけましたが、学生さんの反応を見ても、理解力が高く、その甲斐がありました。

最後の回のものも含め、講義でいただいた質問や感想については、おいおいここで要約した形で掲載していければと思います。

受講者の方のうちレポートのテーマに「国境と国民の時代」を選択する方は、KULASISの「授業資料」(「レポート」ではないので注意)から「第2~4回のレポート課題の通知」を熟読してレポートを提出してください。

今もなお続く「国境と国民の時代」を自らが生きていくために、また他者への想像力を持つために、本講義が何かしらの役に立てば幸いです。