先日刊行された『華僑華人の事典』の「樺太の中国人」の項目を執筆させていただきました。

樺太の華僑華人については、参考文献に挙げております阿部康久先生、菊池一隆先生、小川正樹先生がすでに実績を挙げておられ、私はまだ一本も論文を書いていない状況なのですが、お三方が他の項目を執筆なさるということで、私に役割が回って来たようです。

もちろん、私自身も細々と樺太華僑に関する資料を集め神戸華僑華人研究会などでご報告させていただいているからこそ、お声をかけていただいたのかと思っております。資料もある程度収集できましたので、近々論文を書きたいと思っております。

なお、「樺太の華僑華人」ではなく「樺太の中国人」となっているのは、資料の中に国籍基準の分類や呼称が出てきて漢民族とそれ以外の民族が区別できない場合が含まれているためです。

大学の講義を受け持って痛感したのは、こういう事典があると耳学問の部分が簡単に補えたり、ひとつひとつ論文にあたらなくても信頼できる情報が得られるほか、学生にもすすめやすいということです。同社から刊行され私も執筆させていただいた『人の移動事典』は重宝させていただいております。

今後もいろいろなテーマの事典が出ることを願います。

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「樺太の中国人」
華僑華人の事典編集委員会編『華僑華人の事典』丸善出版、2017年11月30日、232-233頁。
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