昨年の11月に「第9回 地域研究コンソーシアム登竜賞」を受賞しました。
http://www.jcas.jp/about/awards.html
対象は、拙著『サハリン残留日本人と戦後日本』(国際書院、2019年)です(要旨)。

地域研究コンソーシアム(JCAS)は100を越える日本国内の地域研究機関・学術団体の集まりですので、そこでこのような賞を得られたことは、研究者としてたいへん光栄なことです。

その一方で複雑な気持ちになるのは、そもそもサハリン残留日本人が発生していなければ、私の研究も拙著も受賞もなかったわけですから、素直に喜ぶことはできないということです。

ただ、そのことを思ったときに、歴史研究とはやはり〈未来〉のためにあるのだと改めて思います。〈国境と国民の時代〉が続く限り、同様の現象が起きる可能性が常に存在しています。その発生を防ぐためにはどうずればいいのか、それを考えるために私の研究と拙著がみなさんの役に立てばと願いますし、この受賞が多くの方に〈残留〉や〈境界変動〉に関心を持っていただく契機になることを望みます。

調査に惜しみない協力をしてくださった日本サハリン同胞交流協会およびその後継である日本サハリン協会のみなさま、北海道中国帰国者支援・交流センターのみなさま、引揚者団体である全国樺太連盟のみなさま、日ロ韓の残留者、帰国者、引揚者、そのご家族ご親族、関係者のみなさまの協力無くしては、本書は成りませんでした。心より御礼申し上げます。

また、私がサハリン残留日本人についての研究を行なったこの10年近くは、サハリン樺太史研究会が発足し急激にサハリン樺太史研究が進んだ10年でもありました。研究会のみなさんや、研究会とは別に私に共同研究の場を与えてくれたみなさんにも感謝いたします。

出版の機会と研究に専念できる機会を与えてくださった旧・京都大学地域研究統合情報センター(現・東南アジア地域研究研究所)のみなさま、また日本学術振興会特別研究員として3年間過ごし私の研究の視野を大きく広げてくれた北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターのみなさまにも御礼申し上げます。

家族、友人と御礼の相手を上げていくときりがなく、ひとりひとりのお名前を挙げることはしませんが、この場を借りてみなさまのご協力への御礼を申し上げます。

漫画『ゴールデンカムイ』や小説『熱源』などでもサハリン島は題材になり世間の関心もいくらかは得られるようになっておりますが、こうした創作作品にも我々研究者の研究成果が活かされていくことを願うばかりです。

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第9回地域研究コンソーシアム登竜賞(『サハリン残留日本人と戦後日本』国際書院、2019年)、2019年11月2日
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