ふたつめの単著となる下記の書籍が刊行されました。
この10年間にわたるサハリン残留日本人研究の成果です。

まだまだ不十分な部分も多いのですが、ひとまず成果を形にできた達成感があるのと同時に、10年間分の疲労感が一気に来た思いです。

この本ができるまでに、サハリン残留日本人の方々含め本当に多くの方々にお世話になりました。ひとりひとりお名前を挙げることはできませんが、この場を借りて改めてお礼を申し上げます。

本書がサハリン残留日本人研究の〈決定版〉などということはもちろんありません。サハリン残留日本人研究のためのスタートラインのひとつがようやくできたと評価していただければ幸いです。

なお、本書の刊行にあたっては、ひとつめの単著同様に「京都大学総長裁量経費若手研究者に係る出版助成事業」の助成を受けました。

私は、「京都大学若手研究者ステップアップ研究費」も文学研究科研究員時代と地域研助教時代にいただいており、京大に多くの機会を提供していただいてきました。母校・京大にも改めて感謝の意を表したいと思います。

サハリン残留日本人の研究を始めて、残留日本人の方々はもちろん、残留朝鮮人の方々、引揚者の方々からもたくさんのお話をうかがってきました。そして、この本ができるまでに鬼籍に入られた方々も少なくありません。とりわけ、思いの叶わぬまま亡くなられた方々もいらっしゃることを思うとき、本書が〈残留〉現象を考えるための一助となればと願います。

〈残留〉は歴史の中にのみ認められる〈過去〉ではなく、〈国境と国民の時代〉が続く限り起こり得る現象であり〈未来〉である。(本書、351頁)

この一文は、私がこの本を書く中で、改めて気付いたことであり、重要な〈発見〉でした。

私は研究者であり、実践家ではないため当事者の方々のために具体的に何かできるわけではありません。けれども、一歴史研究者として当事者の方々の経験を〈未来〉につないでいくことができればと願います。

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中山大将『サハリン残留日本人と戦後日本:樺太住民の境界地域史』
国際書院、2019年2月28日、総389頁。

*出版社Webサイト:http://www.kokusai-shoin.co.jp/296.html
*目次、著者紹介、まえがき、索引を上記サイトから閲覧できます。
*要旨はこちらから閲覧できます。
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