2022年度から高校教育で導入される予定の科目「歴史総合」に向けて教科書会社の清水書院さんが刊行している「歴史総合パートナーズ」シリーズ第10巻として下記の拙著が出版されました。

「歴史総合」は従来の科目「日本史」「世界史」の垣根をなくして歴史を学び考えることが目的ですから、拙著では〈国境〉を主題にしつつ、具体的事例として先住民族含めアジアとヨーロッパの諸集団諸国家の関係が入り組んで展開したサハリン島の歴史について論じました。

このシリーズの特徴はしっかりと注がついていることです。大学で教えていると、高校の教科書や通俗書と研究書の間をつないでくれるような本が意外に少ないということに気付きます。

本書もサハリン・樺太に興味はあるけど、専門の研究書はあまりに分厚くて難しいと思っている高校生や大学生、あるいは社会人のみなさんにとって手ごろなサハリン島通史としてもお役に立てるかと思います。

樺太農業史だけでもなく、サハリン残留日本人問題だけでもなく、サハリン島の通史ということで、自分でもかなり勉強し直しながら書きました。最新の研究成果を世に出していくことが研究者の重要な仕事ではあるものの、こうして先達たちの成果をとりまとめながら、高校生や大学生に向けて書くというのはとても楽しいことでした。

ありがたいことに30代で3冊の単著を書かさせていただきました。北大、京大、釧路公立大と3冊とも肩書が違うのもよい記念です。今後は機会さえあれば、サハリン残留日本人について一般向けの新書のようなものと、歴史と歴史研究の意義について論じた一般向けの本を書いてみたいなと思っております。

執筆にあたっては、現任校の釧路公立大学や京都大学、甲南女子大学での講義、北海道大学、東京大学での特別講義、北海道教育大学での教員免許更新講習、等々での経験や学生のみなさん、教員のみなさんの反応がたいへん参考になりました。ありがとうございました。

執筆中の原稿にコメントをくださったり、私からの問い合わせに適確な回答をくださった研究者のみなさんにもお礼を申し上げます。それから、草稿に目を通していただいたある樺太出身者の方がペンを持つのが難しくなったため覚えたてのタブレットからの入力で送ってくださった感想にたいへん勇気づけられたことも忘れられません。

また、この貴重な機会をお与えくださった清水書院さん、本シリーズの編集委員の諸先生にも改めて御礼申し上げます。

最後に、執筆のための時間を与えてくださった釧路公立大学の教員・職員のみなさま、執筆を支えてくれた家族にも最後にお礼を述べておきたいと思います。

——————————–
中山大将『歴史総合パートナーズ⑩ 国境は誰のためにある?:境界地域サハリン・樺太』
清水書院、2019年12月9日、総117頁。
——————————–

*出版社のWebサイト:http://www.shimizushoin.co.jp/tabid/89/pdid/840/Default.aspx
*なお、恥ずかしながら、20頁5行目末尾の「同」は正しくは「翌」ですので、ここで訂正しておきます。