中華民国と中華人民共和国におけるサハリン樺太史研究の動向についてまとめた拙稿を近現代東北アジア地域史研究会の会誌に掲載していただきました。

サハリン・樺太と言えば、日本とロシアの境界地域というイメージが一般的かと思いますが、上記の動向をまとめる中で、サハリンが中国の固有の領土だという認識を持つ歴史研究者たちがいることを見つけました。

拙稿で指摘した「庫頁島中国固有領土論」は、サハリン島が観念的にもいまだに日ロ中の境界地域であることを示してくれると思います。

なお、今回は近現代史中心に論じているので少ししか言及できませんでしたが、前近代史に関してはこうした愛国主義的な領土論とは距離を置いた日中間の豊かな学術交流も存在しています。

本稿執筆のための資料収集過程では多くの機関と個人にお世話になりましたが、最も印象深いのは突然やって来た(しかも拙い中国語を話す)外国人利用者にとても親切にそして熱心に応じてくれた台湾大学図書館の職員さんたちです。この場を借りてお礼申し上げます。自分の仕事に熱意と誇りをもったこうした方々と出会えると、国外でも心折れず研究を続けることができます。ありがとうございました。

———————-
「中華民国および中華人民共和国におけるサハリン樺太史研究:台湾と大陸における庫頁島中国固有領土論の系譜」
 『近現代東北アジア地域史研究会News Letter』第29号、2017年12月2日、13-22頁。
———————-

広告