中山大将「サハリン残留日本人の冷戦期帰国:「再開樺太引楊げ」における帰国者と残留者」『移民研究年報』20号、2014年。

日本帝国崩壊後、旧植民地・勢力圏から引揚げなどの人口移動が起きたが、一方で各地に抑留者や残留者が発生した。樺太(南サハリン)には約1,400名の残留日本人がいたと推計され、その大半が韓人(朝鮮人)との家族関係を理由に残留した人々であったと言われている。

1956年の日ソ共同宣言以降、これらサハリン残留日本人の日本本国への帰国事業が行われ、1976年までに884名の日本人が祖国の土を踏んだ。この帰国事業は、「再開樺太引揚げ」「後期集団引揚げ」とも呼ばれた。これら帰国者はどのような人々であったのか、ソ連領内への残留という危機的状況において韓人も合む残留者に、この帰国の機会がどのような意味を持ったのかなどは、いまだ明らかにさ れていない。

本稿の課題は、第一 に、帰国者がどのような人々から構成されていたのかを世帯レベルで明らかにすることである。また、第二の課題は、冷戦期帰国の機会に対する残留者の評価と行動を明らかにすることである。本稿では、外交史料館や在日韓人歴史資料館の所蔵資料を主な資料として用いる。

(掲載:2019年2月19日)

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